Blog for complaining

世の中不満だらけ

middle crisis

NEC,外資系IT企業、シリコンバレースタートアップ企業を経て、ベンチャー企業を立ち上げてきた。

20代は自分は日本人が世界で尊敬される民族として誇れるような社会を実現したいと思っていた。現実はまさに逆で日本は世界的なポジションを失ってきている。優秀な人たちは日本を見捨て世界に進出している。娘もロンドンで電力会社に勤めている。彼女は日本の商慣習や思考プロセスに見切りをつけたとも言えよう。

私自身は最初にNECに入社した当時から、世界に羽ばたきたいと思っていた。言語能力の問題や当時の社会情勢、学歴を考えて、大きなチャレンジができず、結局、当時小さかった外資系IT企業への転職という形になってしまった。しかし、成長期のIT企業への転職はチャレンジャーであり、少数派である。

そして、外資系IT企業が業績を伸ばし注目されたときに、日本企業は成長を捨てて雇用を守る労使交渉を行った。政府との話し合いにより、雇用優先を行ったわけである。その結果として、派遣労働の解禁と給与を低く抑えたことで、デフレが進み、結果として30年以上に渡る景気低迷(所謂デフレ)になるのである。

自分の誤算は日本が世界に追従するために、世界のスタンダードに合わせた改革を継続していくと思ったことである。折しも男女雇用均等法による男女間の平等機運が盛り上がったからである。しかし、現実には自民党の守旧派により、それから日本は世界と徐々に乖離をしていく。

日本人がシリコンバレーで成功することを夢見ていた自分としては、日本の教育システムや大企業によって、優秀な人材が国際的に活躍できず、内弁慶となりプライドの高い人が増えていくことになる。

そして本当に残念なのは小さな資産形成に満足してしまったことである。都心の高層マンションに住むことこそが人生の勝ち組となり、本当の豊かさをゆがめ満足してしまったことである。それも親の資産をも利用するという、小物ぶりを発揮している。

現在、日本型の終身雇用を強く残しつつある企業として、トヨタや有名商社は最高益となり未だにエリート企業として君臨しているが、それも時間とともに衰退するものと思われる。最後の砦となるこれらの企業が没落した時に、日本はようやく戦国時代に突入すると思われる。予想としては2030年であろう。平成生まれが40代になる時である。そしてようやく日本が世界のスタンダードとなり、英語が当たり前になっていくだろう。まだまだ前哨戦なのだ。

以前お話をした経産省の課長との話としては人には言えないが団塊が死ぬまで社会構造は変わらないということであった。まさにそれが的中したのである。

自分として、心残りなのはそういった本格的な日本のハードランディングを遅らせてしまったことで、その後におこる大改革を若いうちに経験できなかったことである。

現在、自分が悩んでいるのはこの先にどういったことを目標に生きていけばいいかということだ。残念ながらお金に執着しなかったことでファイヤーはできなかったこともあるが、この中途半端な立場をどう超えていけばいいのかを模索しているのである。所謂、middle crisisである。

半年間の冷却期間を経て、少し変わったことがある。それはやはり自分はチャレンジしなければいけないということである。何の時代に生まれようが、そこにどんな制約があっても同じである。例え来世があったとしても同じような時代の制約があり、そこで苦しみのだ。時代に乗れることだけが成功ではないと考える。

人生はプロセスであり、一生の戦いなのだ。たまたま成功した人はその時代にフィットしたことであり尊敬に値するが、やはり本人の哲学がその時代と一致したことが大きいだろう。時代と合わず死んでいった者たちは大勢いるだろう。そこそこ有名になった者でも十分尊敬に値するのだ。死後に評価される人物も多いだろう。

自分ができる範囲で日本の変革を進めたいと考えているのだ。NHK的に言えばバタフライエフェクトである。