Blog for complaining

世の中不満だらけ

結婚制度の崩壊

現代における結婚制度は完全に崩壊している。日本における結婚とは家と家とが結ばれる結婚であった。それが急速に個と個ととで結ばれる形になったのだ。

しかし、恋愛というものが個人の力量に委ねている。日本人はそもそも恋愛ということに慣れていない。長い間、恋愛ということに慣れている西洋に比べれば、とても恋愛が上手といえないのだ。

恋愛と結婚は別と割り切って結婚した人の末路は仮面夫婦から離婚に至るまで、やはり人は好きではない人とは一緒に居られないのである。

そういう欺瞞が若い人の間で親の関係を通して、理解されている。従って、そこに昔のようなステレオタイプ的な結婚をゴールとする考え方はもうないのだ。

それに日本に限らずアジアでは親兄弟を大切にする文化があるので、夫婦関係が希薄になる。そのため家族として生活する役割しかパートナーに求めることはない。そうなるとパートナーとしての役割を外に求めることになる。

その関係は一見すると合理的であるが、そもそも家族が解体すればそこにはもう一緒に居る理由がないのだ。

子育てを終えた女性や家族への愛着がない男性にとっては結婚は苦痛でしかなくなるのである。

日本人は一旦仲良くなると、プライベートに干渉する人が多いので、個と個ととの関係が破壊される。プライベートゾーンに入ることを気にしなくなるのだ。

そうなるとその関係を清算することが難しくなる。日本での離婚の手続きが面倒なのはそういった理由からだ。

もう結婚するということは、人生にとってメリットではない。本質的に言えば、パートナーを作ることが大事であり、そのパートナーこそが心と心がつながる関係として成立しなければいけない。結婚していないと体面上恥ずかしいといった関係では難しいのだ。

もちろんどんな人でもそれなりに心がつながることはできると思う。しかし、もっと踏み込んだ精神的な関係を築くのは難しい。やはり人はそれぞれ好みがあるのだ。

もうそこで妥協して結婚するメリットは育児や生活のためなど損得勘定でしかない。

結婚しないことは個人が欲望を優先したという論調があるが、私は違うと思う。より精神的なパートナーを欲することを優先することで、結果的に結婚という制度がそれに合わなくなってきているからだ。

大事なのはやはり心の幸せであり、金銭的な幸せではない。金銭的な幸せを追い求めることで、女性が結婚に夢を持つことはとても野蛮なことであると思う。

女性が結婚を経済的に考えているのは、結婚がもつ硬直した制度の見返りとしての合理的な判断なのだ。

全ての人が資産がある程度あれば、結婚という制度はますます崩壊するだろう。

少子化は結婚した後の問題なので、また違う問題があるのだが、結婚に対するハードルが高いことで、結果的に少子化になっていることは否定できない。

子供を産まない夫婦が増えていることは、それ自体価値観の多様性なのだから、仕方がないのだ。それよりも、結婚しなくても子供が育つ環境を作ることが少子化としての唯一の解決策だと思うのだが、おじいちゃんたちには理解できないだろう。